電着塗料・めっき・各種 表面処理薬品の
開発・製造・販売及び受託加工

電着塗料を構成している原理の中でも、電気泳動と呼ばれる原理の歴史は古く、1809年にロシアの物理学者フェルディナンド・フリードリヒ・ロイス（Reuss）によって発見されています。
日本においては、1964年（昭和39年）に当時の東洋工業（現マツダ）で電着塗装が採用されたのをスタートとして、1970年には日本自動車メーカーにおいては、 ボディーの生産ラインのほぼ100％で電着塗装が採用されました。
電着塗料を用いての塗装は、自動車に限らず、電気製品、建材、スチール家具などのプライマーとして広く採用され、現在に至っています。

塗料には外観を美しくするだけでなく、遮熱や錆止めなど多様な用途があります。
その一方で大気汚染の原因である揮発性有機化合物（以下、VOC）や温室効果ガスである二酸化炭素（以下、CO2）の排出量を増やすといった問題をはらんでいます。
塗料がVOCやCO2の排出量を増やす原因は、その構成要素にあります。
塗料は主に、塗膜形成要素の主成分である「樹脂」と「顔料」、塗膜形成の助要素である「溶剤」の3つの成分から構成されています。そして、これらの塗料を構成する樹脂、顔料、溶剤のうち、環境に対して悪影響を及ぼしうるのが「溶剤」です。
アルコール類や芳香族類など有機化合物からなる有機溶剤（有機触媒）は揮発性をもつため、大気中へと放出されます。こうしたVOCや窒素酸化物（NOx）は光化学反応により光化学オキシダントを生成する触媒として作用するため、気候変動や生態系の破壊にもつながることが懸念されています。

電着塗料は一般的な塗装に比べて溶剤を使わないため、環境にやさしい点が特長です。水溶系の塗料に被塗物と電極を浸漬させて塗料中に通電させることで塗装する方法となり、原理としては電気めっきと同じですが、異なる点としては、金属ではなく樹脂が被塗物に析出される点があります。
電気めっき同様、初めに被塗物の電気が流れやすい箇所に樹脂が析出されますが、樹脂が抵抗体となる事で電気が流れにくくなり、塗膜析出がされ難かった箇所にも析出され、最終的には均一な塗膜が形成される点が特長です。
当社の特長としては電気めっきとの組みあわせにより金属の保護を行いつつ、金属のカラー化といった装飾めっきの美しさ引き立たせる技術が特長です。
機能面では塗装焼き付け温度の低温化によるカーボンニュートラルの省資源化、また、EV用高性能・高絶縁塗料の開発によるカーボンニュートラルの省資源化といった継続した技術開発を進めています。
さらには、非危険物化、塗料濃度の高設計化により、メイドインジャパンの品質を世界各国へ、大量生産品だけでなく、一社一社のニーズに対応する為の小回りを利かせた塗料開発（共同開発）等が特長であり、当社の強みでもあります。